旅費精算業務といえば社内の出張者・承認者・出張管理担当者・経理担当者と多数の部門が関わることから、大掛かりに感じてしまうものです。また、新幹線や飛行機などの交通費や出張先での宿泊費、出張手当など、さまざまな経費の精算や個人立替の必要性があり、煩雑で負担になりがちです。
今回は、そんな旅費精算のよくある課題から、課題解決につながる旅費精算システムの概要、導入メリット、導入のポイントまでをご紹介します。
まずは旅費精算業務を行う経理部門が抱えるよくある課題を見ていきましょう。
旅費精算のルールは社内の出張旅費規程に定められていることが多く、細かく役職別に分けられていることも多くあります。そのルールに従って精算することに煩雑さを感じるケースは多いのではないでしょうか。
出張前に、出張に行く社員が上長や経理担当者に対して行う出張の事前申請、承認の一連の流れは、通常業務の傍らで行うことから、どうしても時間と手間がかかってしまいます。
出張に行った社員は、領収書を集めて提出する必要がありますが、集めること自体に手間がかかったり、紛失が多発したりと、提出の遅延が起こりがちです。
上長、経理担当者が出張者からの領収書と申請内容を精査しますが、不備が多く差し戻しが多発しており、なかなか処理が進まないという課題もあります。
旅費精算業務のうち、経理担当者にとって特に負担に感じられやすいのが立替・仮払いの精算です。精算の漏れがあると問題が大きくなるため、慎重に行う必要があります。
上述の通り、旅費精算業務にはさまざまな課題がありますが、それらの課題を解決する方法の一つとして、旅費精算システムを利用する方法があります。
旅費精算システムとは、社員が出張した際に発生する交通費や宿泊費、出張手当などの旅費の申請や承認を行うことができるシステムです。
経理担当者がメインで操作しますが、出張申請の手続きもシステム上で行えることから、出張者や承認者、出張管理担当者などもシステムを介して申請・承認作業を行うことができるのが一般的です。
旅費精算システムには、主に次のような機能があります。
・入力補助機能
精算内容を入力する際に、補助となる機能です。例えば乗換案内サービスや交通系ICカード、法人カードとの連携機能などがあります。
・申請・承認機能
ワークフロー機能では、システムを介して申請や承認を行うことができます。クラウド型の旅費精算システムでは、インターネットを通じて出先などの外部からの承認や差戻しを行えることがあります。申請・承認に関わる社員が忙しくてもスマートフォンなどから手軽に操作できるものもあり、便利に利用できます。
・経理業務機能
経理業務を効率化するための機能です。例えば、申請者が入力した精算書の内容から仕分データを自動作成し、会計ソフトと連携させることで、会計ソフトへの転記作業を削減できる機能などがあります。
・出張手配機能
旅費精算システムの中には、飛行機・新幹線・ホテルなどの手配がシステムを介して実施できるものもあります。また、会社一括請求ができる場合は個人立替を不要にできるため、振込対応などの経理業務の負荷を低減できます。
旅費精算システムの導入効果を見ていきましょう。
法人カード連携機能などの入力補助機能があるおかげで、精算内容の入力ミスが減り、経理担当者の精算内容の突き合わせ作業・修正・差戻しの負担が軽減され、スピードもアップします。
仕分け作業や会計システムへの入力作業の自動化により、ヒューマンエラーをなくすことができます。ミスが減ることで、旅費精算業務がスムーズに進むでしょう。
法人カードと連携できる利点を活かして出張旅費をすべて会社決済型の法人向けクレジットカードに集約するルールにすることも一案です。また、会社一括請求ができる出張手配機能を利用して、社員の個人立替や仮払いを撤廃できるケースもあります。それにより、これまで煩雑だった振込対応や小口現金管理をなくすことができ、経理業務の効率化につながります。
電子帳簿保存法に対応した旅費精算システムを利用することで、申請書・精算書だけでなく、領収書や請求書などの紙書類も削減できます。また、会社一括請求による出張手配機能などを利用すれば旅費の領収書の数そのものを削減でき、企業のペーパーレス化をより推進できます。DX化を目指す企業にとって大きな第一歩となるでしょう。
出張申請の手続きをシステム上でワークフローに沿って行うことで、申請漏れや承認漏れ、不正な申請などをなくすことができるでしょう。内部統制の強化という観点からもメリットが期待できます。
旅費精算システムで出張経費を精算する仕組みが構築されれば、出張に関わる経費はすべてシステムに集約されます。出張旅費の可視化ができることで、全体像および問題点も見えやすくなり、出張旅費の適正化が進むでしょう。結果的に出張コスト削減につながることもあります。
課題解決につながる旅費精算システムの選び方のポイントをご紹介します。
旅費精算システムは、クラウド型とオンプレミス型の大きく2種類に分かれます。クラウド型は運用保守が不要である分、コストが継続的に発生します。一方、オンプレミス型は自社で運用保守が必要ですが、コストは導入時のみで運用費はほとんどかかりません。最適なシステムを選びましょう。
交通系ICカードや法人カード連携機能があると手入力が不要になるメリットが得られます。旅費精算システム導入の大きなメリットであるため、この機能を備えるシステムがおすすめです。
出張手配機能があるシステムは限られます。特に出張をメインとする働き方の多い会社の場合には、手配から精算までの業務が大幅に効率化するため、この機能のあるシステムを選ぶことをおすすめします。
既存の会計システムと連携できるか、自社の旅費規程に沿って日当の自動計算ができるかなど、システムの柔軟性やカスタマイズ性も重要です。
導入前後にしっかりとサポートしてくれるかどうかは、旅費精算システム導入の成否を分ける重要な事項です。導入時に選任の担当がつくか、導入後のサポートに電話での問い合わせも含まれているかなど、ぜひサポートの充実度合いを事前に確認しましょう。
旅費精算システムは、経理担当者はもちろん、出張申請から承認、精算までの一連の流れに関わるあらゆる社員の業務を効率化します。
旅費精算システムを導入するなら、JTBが開発した経費精算・出張管理システム「J’sNAVI NEO(ジェイズナビ ネオ)」がおすすめです。
法人一括請求で手配ができる、JTBならではの出張手配機能をもち、出張の事前申請、手配、精算までこれ一つでカバーします。また、法人カードとの連携により、カードの利用明細データを自動取り込むことも可能なため、個人立替・仮払いの全廃や経費利用のキャッシュレス化を促進できます。
出張業務の多い企業には特におすすめのシステムです。ぜひご検討ください。
お役立ち資料一覧
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