経費精算のやり方は企業によってさまざまですが、従来から行われているのがエクセルを用いた方法です。近年は経費精算システムを利用する方法もあります。
今回は、経費精算をエクセルで行う方法のメリットやデメリットと共に、経費精算システムを導入するメリットとポイントをご紹介します。
経費精算をエクセルで管理する方法とメリットをご紹介します。
経費精算とは、会社の経費が発生するたびに、記録し管理していく業務を指します。
経費精算を行う方法の選択肢として、主に紙(手書き)、エクセル、経費精算システムの3通りがあります。
3通りの中でも、経費精算をエクセルに入力して管理する方法のメリットを確認していきましょう。
まずエクセルは日頃から慣れ親しんでいる方が多いため、操作にも慣れていて手軽に使えるというメリットが期待できます。
企業経営側としても、すでに社内で業務に使われていることが多いことから、コストをかけずに導入できる点、従業員のトレーニングが特に必要でないことや紙(手書き)に比べ業務効率化が期待できる点、経費データなどをCSV形式のファイルに出力して会計システムに取り込み、利用できる点といったメリットがあります。
CSV形式のCSVとは、「Comma Separated Values」の略称で、「カンマで区切られたデータ」といった意味合いがあります。多くのシステムに取り込んでデータとして取り扱うことができるのがメリットです。
エクセルに入力することで、エクセルデータが作られるだけでなく、他のシステムでも使える汎用的なデータとして使えるメリットもあるのです。
コストがかからず手軽に行える、手動で他のシステムに取り込めるといったメリットは、特に小規模な会社にとってはメリットが大きいでしょう。
一方で、経費精算をエクセルで管理することにはデメリットがあります。その理由として、次のことが考えられます。
エクセルは手入力が基本となるため、入力に手間と時間がかかります。そのため、経費精算が多く発生する企業では、その他の業務に充てる時間が削られてしまうといった影響が及ぶこともあります。
手入力を行うということは、どうしてもヒューマンエラーのリスクがつきまといます。例えば計算ミスや誤入力の発生は避けられません。経費精算の数字に誤りがあると、従業員への立替に対する返金時や会計処理時に金額の誤差が出てしまい、企業会計に必要な正確性が損なわれてしまいます。
共有性が低いのもエクセルのデメリットといえます。エクセルで共有しようとすると、どうしてもリアルタイムでの情報共有が行いにくいところがあります。
社内サーバーに保存してファイル共有することもできますが、複数人が同時に上書き保存する際にバッティングしてしまう、先祖返りしてしまうといったリスクがあります。正確な情報管理の面や保護性の面で懸念があるでしょう。
近年は手入力をできるだけなくして作業を自動化する方向へ社会がシフトしている中、エクセルへの手入力を続けることは、その流れに反しているところもあります。
例えば、経理部門ではペーパーレス化はもちろん、DX(デジタルトランスフォーメーション)といったデジタル化を進める流れがある中で、手入力を続けることは企業の経営戦略や事業戦略から見ても本意ではないでしょう。
すべての業務の手入力をなくせば良いというわけではありませんが、経費精算システムといったシステム化の余地がある中では、自動化や効率化を目指すべきといえます。
これらのデメリットを対策するには、経費精算システムに代替することが有効策といえます。
経費精算システムとは、社内で利用した経費を精算する際に生じる申請、承認、仕訳、会計ソフトへのデータ連携までの一連の業務を効率化するシステムです。
エクセルの代替として、経費精算システムを導入するメリットをご紹介します。
経費精算システムは、経理部門だけで利用するものではありません。一般的な経費精算システムは、経費申請をする従業員や承認者なども利用できるようになっています。
従来の紙やエクセルによる申請書の記入や領収書と合わせた申請書の提出・承認フローをすべてシステム上で管理できます。また、経費精算システムには、領収書の写真撮影による文字認識のOCR(光学文字認識機能)や、交通系ICカードやクレジットカードの利用データの自動読み込み、交通費の自動計算などの機能が備わっていることが多く、申請時の手入力を削減できます。
経理部門にとっては、経費の計算が自動化されるので、負担が軽減されます。また、経費精算システム上で作られる仕訳データを会計システムと連携させておけば、会計システムへの仕訳入力作業の自動化も可能になり、経理作業の負荷を軽減できます。
申請承認フロー機能のある製品であれば、従業員から申請された経費の提出から確認、承認作業まで一連の流れが効率化します。
申請承認フロー機能のある経費精算システムでは申請状況を可視化できる製品も多いため、管理する工程の効率化にもつながります。また経理担当者が従業員に対して早めに申請してほしいといった申請の催促をしやすいところがあります。
経費精算システムで申請状況を可視化しながら管理することで、二重申請などの不備不正を早期発見しやすくなります。また、交通系ICカードやクレジットカードなど利用データを取り込んで精算書を作成させることで、経費の水増しや領収書の書き換えなどの不正申請を防止できます。
さらに、各種利用データが連携された際の自動通知やリマインダー機能などが備わっていれば申請漏れも防止できます。
経費精算システムを導入することで、申請書類や領収書の提出がデジタル化され、ペーパーレス化を実現します。また経費申請から処理までの一連の流れがシステムにより効率化されることで、テレワークやDX推進の第一歩となります。
経費精算システムを選ぶ際のポイントをご紹介します。
まずは導入目的を明確にしましょう。「作業負荷軽減・業務効率化」「不正申請をなくす」「テレワーク促進のためにペーパーレス化を進める」など具体的な目的を定めることで、最適なシステム選定につながります。
経費精算システムの導入を検討するのは、業務の効率化に課題を抱えている場合が多いのではないでしょうか。しかし、多くの経費精算システムがある中で、いきなり製品を選定しようとしても、自社の課題に合った経費精算システムを判断するのは難しいでしょう。そのため、まずは従来の経費精算の工程をすべて洗い出し、どこに非効率的な工程があるのかを確認し、効率化したい業務を洗い出すところから始めましょう。
先述の通り、経費精算システムの中には領収書の写真撮影による文字認識のOCR機能(光学文字認識機能)、交通系ICカードやクレジットカード連携機能などが備わるものもあるため、これらの機能が備わっているか、必要に応じて検討しましょう。
経費精算後のデータは会計システムとスムーズに連携させて会計業務を効率化したいものです。他システムとの連携性やどのように連携できるのかを確認しておくと良いでしょう。
操作性も肝心です。社内の誰もが使いやすいことは重要ですし、ユーザーインターフェースに問題があると業務がスムーズに進まなくなり、定着に懸念が生まれます。選定時には必ず画面や操作性を確認しましょう。
導入前や導入後のサポート体制を確認することも重要です。運用時に何か不明点や不具合が出たときの対処の体制がしっかりと作られていなければ、業務が停止してしまった際のリスクやタイムロスが大きくなります。サポート体制の有無、対応スピードや内容もよく確認しておきましょう。
経費精算をエクセルで管理する方法のメリットとデメリット、経費精算システムに代替するメリットや導入のポイントをご紹介しました。エクセルからの置き換えをご検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
初めて経費精算システムを導入するなら、JTBグループが開発したクラウド型の経費精算システム「J’sNAVI NEO」がおすすめです。専属のシステムエンジニアによる導入支援や電話問い合わせにも対応しているカスタマーサポートなど、充実の導入サポートで経費精算のシステム化を支援します。
また、会計システム連携やクレジットカード連携などの一般的な機能に加え、法人一括請求よる出張手配機能もご利用いただけるため、経費精算業務の効率化はもちろん、出張旅費の領収書・立替・仮払い・突合せ作業を削減することも可能です。ご興味がございましたらぜひお気軽にお問い合わせください。
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