海外のお客様に向けて、日本ならではのお土産を持参すれば、文化やトレンドに触れてもらえるきっかけになり、会話もいっそう盛り上がります。ここは手土産ひとつと軽く考えず、相手に喜ばれるものを選んで、スムーズに商談に移りたいものですね。
手土産を持参するときにまず気を付けるべき点は、日本らしさを押しつけず、相手のお国柄を知ること。たとえば、伝統和菓子は見た目が華やかで日本らしいため、重宝しがちですが、とても喜ばれるか、口に合わず敬遠されるかのどちらかです。特に、餡を食べる習慣がない海外の方にとってはハードルが高く、前もって和菓子は得意かどうか、聞いておいたほうが無難です。
さらに、手土産の金額にも気を配りましょう。豪華さによって自分がどれほど重要視されているかを図る国もあれば、高価なものを受け取って恐縮してしまうような国もあります。そのほかにも宗教上の理由でNGなものがあるかなどといった事前調査は大切です。
アジア人は、とにかく豪華で派手なものが好きです。食品であれば安全な品質で日本らしい味が喜ばれます。特に人気なのが、濃厚な味わいと控えめな甘さが好評な「抹茶味のお菓子」。その背景には、健康にいい飲料としてアジアを中心に巻き起こった日本茶ブームがあります。抹茶味のチョコレートやビスケットは支持率が高く、昨年は日本でしか買えない限定の抹茶味のお菓子を大量に買い込むアジア人の姿が多く見られました。40代以上の方の場合は「甘い物=子どもが食べるもの」として理解されないことがあるので、お菓子以外のもののほうがおすすめです。ブランドものも好まれますが、お酒が好きな方であれば、日本酒や焼酎という選択肢もあります。現地で売っていることもありますが、微妙に味が異なるのです。
アジア人は「質よりも量」というタイプの人が多く、ラッピングを派手にして、品数が多いもののほうが、ポイントが高いようです。ちなみに中国のお客様への手土産として気を付けたいのが、置時計と傘。縁起のよくない言葉と同じ発音のため、贈り物としてタブーなものなのです。
欧米人の場合、スイーツを持っていくときには注意が必要です。特にアメリカ人は、なんといってもスイーツが大好き。日本のお菓子では甘さが足りず、口に合わないこともあります。日本では大喜びされそうな流行店や老舗店のスイーツを持って行ったところで理解されない可能性も。欧米人に食べ物を持っていくときは、塩気のある「おせんべい」などのお菓子のほうが好評です。そんなに相手先の社員数が多くないのであれば「手ぬぐい」を何枚か持っていきましょう。タオルとしてはもちろん、ティッシュカバー、タペストリー、ランチョンマットとしても重宝するので、使い方の説明も一緒にすると喜んでもらえ、コミュニケーションツールとしても役立ちます。さらに女性向け、男性向けの柄を取り揃えて持って行けば選んでもらえる楽しみも増えます。
海外出張では、必ずしも相手が外国人とは限りません。海外で働く日本の駐在員へのおすすめ手土産もご紹介しましょう。海外では売られていない日本独自のものを持って行くことが喜ばれるポイントです。具体的には、調味料がうれしいといわれており、日本のしょう油やポン酢、味噌、カレールー、とんかつソース、そばつゆなどをギフトセットとして持って行くのも良いでしょう。逆に佃煮などはよくもらう上に日持ちしすぎるため、家で大量に有り余るという情報もあります。
さて、手土産が決まったら、今度は渡すときのマナーです。日本ではよく「つまらないものですが」と一言添えて手土産を渡しますが、海外では「なぜお客様のところへつまらないものを?」と疑問に思われてしまいます。海外では、「●●様にぴったりな素敵なものを選んできました」と言ってお渡しするのが正解です。
ちなみにアメリカではプレゼントをもらったら、相手の前で包装を開けて、お礼を言うのが基本的なマナー。目の前で手土産の説明ができるので、コミュニケーションの幅もぐっと広がりますね。
人間関係を円滑に進めていくためにも、手土産には失敗したくないところ。外国人も日本人も、もらって困るもののズレはそんなにないはずです。ぜひ自分でも「うれしい!」と思えるような手土産を選んでみてください。
<著者情報>
経費精算システム「J'sNAVI NEO」編集部
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