近年、単発のアウトソーシングとは異なる、BPO(Business Process Outsourcing)が多くの企業で導入されています。このBPOは、業務プロセスをすべて、継続的に外部専門業者に委託することでコスト面、業務効率化面で多数のメリットがあるといわれます。このBPOの市場規模の推移と今後の予測について解説します。また、あわせてBPOのメリットもご紹介します。
BPOとは、「Business Process Outsourcing」の略称で、企業が業務を外部の専門業者へアウトソーシングする手法の一つです。
従来の単発での業務をアウトソーシングする方法とは異なり、BPOは企画設計、導入、準備、運用までトータルで外部に委託することが特徴です。
BPOが多く活用されているのは、人事・経理などの管理部門、事務代行、コールセンター、コンサルティング、印刷、倉庫、SIなどです。
2018年のIT系BPO市場規模は、前年度比103.2%の2兆4,478億円、非IT系BPO市場規模は前年度比101.4%の1兆7,274億円の見込み(矢野経済研究所調べ)となっており、IT系、非IT系共に、ここ数年、堅調に伸びています。
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同調査結果によれば、BPO市場規模は、IT系、非IT系共に今後も堅調に成長していくと予測されており、2020年度はIT系で2兆5,912億円、非IT系で1兆7,669億円、2022年度は、IT系で2兆7,245億円、非IT系で1兆8,021億円と予測されています。
人手不足の状況が続く影響から採用ニーズが高まっており、人事BPOはわずかながらも増えていく傾向があると予測されています。
また、IT系BPOは、企業が効率的に人材を活用するために、データセンターを活用した運用アウトソーシングサービスの利用が増えているとされ、今後も一定のペースで成長が続くのではないかと見られています。
BPOは、さまざまな経営的メリットや業務改革を生み出します。
BPOは、その道のプロにアウトソースすることから、業務効率化や業務改善、業務品質の向上につながります。また、委託した後、ユーザー企業は社内での業務効率化も叶います。例えば、経理部門をまるごとBPOした場合に、経理業務が効率化し、改善し、品質の向上につながる上に、自社での経理業務が不要となり、効率化します。
BPOにより、企画から運用までをトータルで外部に委託することで、ユーザー企業は、コアビジネスへの経営資源の集中が叶います。コア業務に人的リソース、コスト共に集中させることができます。
BPOは、一連の業務の中で必要な人材確保まで含めた対応をされるのが一般的です。そのため、自社で人材を用意する必要がなくなるため、人件費の削減につながります。また、開発・管理などにかかる費用も不要となり、コスト削減が見込めます。
人員が自社で不要になるということは、人員のスリム化につながります。例えば、繁忙期に対応するために経理担当者を多く雇っていても、閑散期にはそこまで人員が必要ないという場合、人件費に無駄が生じてしまいます。BPOを行うことで、こうした無駄を排除し、効率的な人材管理が行えます。
BPOの市場規模は、堅調ながら成長の一途をたどっています。将来的にも、同じような成長が予測されており期待が高まっています。もし、今BPOを検討中の場合には、BPOで得られるメリットの中から、自社にとって大きなメリットのある事項をとらえることが重要といえます。
<著者情報>
経費精算システム「J'sNAVI NEO」編集部
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