海外出張中のトラブルとして挙げられるのが、現地での病気や事故。慣れない土地で知らず知らずのうちにストレスを抱えていたり、思わぬ事故に巻き込まれたりしてしまうかもしれません。もしものときに備えて、病気になった時の対処と対策をご紹介します。
なんといっても多いのが、下痢症です。その原因はさまざま。水や食料品、油などの調味料をはじめ、環境の変化がストレスによって下痢になってしまうこともあります。そうならないためにも、飲料水はミネラルウォーターを購入し、さらに心配なら沸騰させたものを飲むほうがいいですね。食品は加熱したものを食べるようにすることが重要です。また、飲食店は衛生状態のいいところを選びましょう。
発展途上国への出張の際は、感染症に要注意です。食べ物や飲み物を介して感染する「A型肝炎」や「腸チフス」。蚊にさされて感染する「マラリア」「日本脳炎」、最近では「デング熱」が話題になりました。ほかにも水や土にふれて感染する病もあります。心配な地域に行くには、予防接種を忘れずに受けましょう。
病院選びは、その国に住んでいる、または住んでいた日本人から評判を聞くことをおすすめします。現地の声が一番信用できる情報だからです。技術や衛生観念に不安を覚える国で、手術や精密検査が必要な場合は、日本に帰国か、近隣の先進国に移動してから医療を受けるとよいでしょう。
受診する際は、電話で事前予約すること。突然行っても受診できない場合があるのは、日本も海外もかわりありません。また、病院によって医療保険がおりないところもあるのでそれを必ず確認しましょう。
海外の病院はなんとなく高額そう……。そんな心配もあるかもしれませんが、地域によって全額負担ではないのでご安心を。
必ず7割払い戻されるわけではないですが、海外でも日本の健康保険は適用されるのです。そのうえ、海外出張の場合は国内と同様に労災保険が適用されます(ただし、労災保険は、海外現地法人への出向や、海外支店への転勤は対象外となるので要注意)。
海外で受診した際は、いったん全額自己負担で支払い、帰国後に申請手続きをします。このとき、領収書や領収明細書、診察内容明細書、日本語での翻訳文が必要となるので、書類は大切にとっておきましょう。
肝心の支給額ですが、支給決定日の外国為替換算率によって金額が決まるため、日時と国によって変化します。円高なほど自己負担額が高くなるということです。
はじめての海外の病院は、不安になることが多いかもしれません。しかし万全の状態で仕事をするためにも、体調不良を感じたら自己診断せずに、病院へ行くことが重要です。
<著者情報>
経費精算システム「J'sNAVI NEO」編集部
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